2007年11月アーカイブ



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南極で客船エクスプローラーが沈没


クルーズ船がまた沈没です。


南極大陸沖でクルーズ客船エクスプローラー(2398トン)が海上で物体と衝突し沈没しました。船主のGAPアドベンチャー社によると乗船していたのは乗客 100人(日本人1人含む)と乗組員54人で、たまたま近くを航行していたノルウェーの船に全員救助されました。エクスプローラー号は大西洋南部や南極などを19日間かけて航行するクルーズに就航し、12日目に事故に遭い沈没に至ったとのことです。原因はあきらかになっていません。建造は1969年でした。


今年はエーゲ海でルイス・クルーズラインのシーダイヤモンドがエーゲ海で沈没したのが記憶に新しいところです。またフジテレビ系列の番組「奇跡体験!アンビリバボー」で『実録沈没する豪華客船!!』というタイトルの放送がありました。これは1952年建造のオシアノス号が1991年に南アフリカ沖で沈没した事件です。この時は船の安全管理が誠にお粗末で、老朽設備の破損から、海水が進入し、本来なら沈没するはずのない安全装置が次々と管理不良で突破されて、沈没に至るというものでした。そして何より問題なのは、乗客優先のはずの乗組員が、船長を初めとして我先に逃げ出して、乗客を置き去りにした無責任さです。


そこでふと疑問がわき起こりました。「なぜクルーズ客船のように多くの乗客の命を預かる船がダブルハル(二重底)でないのだろうか」ということです。親切な読者が次のように教えてくれました。これは業界全体の総意ではなくて一部の識者の意見ととらえて下さい。


最近は、ダブルハルと謳っているフェリーが就航し始めたが、まだ一般的でない理由として、


?フェリーや客船は、相当の水が浸入しても沈まない様に、貨物船などに比べると格段に防水に関して設計・検査基準が厳しくなっている。そのため敢えてダブルハルにする必要がない。


?鋼板を大量に使用しなければならないので、コストが上がる。


?窓の取り付けなどデザイン面で難しい。


またオシアノス号の沈没の遠因となった排水系も海水に対する耐食性のある亜鉛メッキをした鉄材が使用されていることが多いようです。しかし同時に亜鉛メッキもキチンとした保守点検がなされてこそ有効です。船会社が乗客の安全第一の観点にたって、基本的な事項を死んでも守る姿勢を示しているところの船を利用するのが一番重要であることは船舶も航空機も変わりませんね。


事故というものは「たまたま」が三回続けておこるような、通常ではありえないことが原因で起こります。クルーズでは私達もとかく浮かれた気分になりがちですが、退避訓練には気合いを入れて臨むことが乗客サイドにも必要だと痛感しました。


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ドミノ倒しの燃料サーチャージ


北米では大部分のクルーズラインが燃料サーチャージを課していなかったのですが、すでにカーニバルグループが燃料サーチャージを課すことに決定したことを報告しましたが、堰を切ったように燃料サーチャージのラッシュが始まりました。このほどロイヤルカリビアンとセレブリティも燃料サーチャージを課すことが決定しました。一日一人あたり5ドルです。但し頭打ち70ドルの上限を設定しています。


ここで今までの決定を整理しますと


カーニバル傘下の


カーニバル、コスタ、キュナード、ホーランドアメリカ、プリンセス、シーボーンが一日一人あたり5ドル


ロイヤルカリビアン、セレブリティが一日一人あたり5ドルで頭打ち70ドル


クリスタルクルーズは従来一日一人あたり5ドルであったものを7ドルに値上げ


リージェント・セブンシーズが一日一人あたり7.5ドル


シルバーシーが一人一日あたり10ドル


NCLが一日一人あたり7ドル


この他にも皆さんがあまりご存じないクルーズラインも軒並み燃料サーチャージを取ることにしています。まさに航空機と同じく例外なくクルーズにも燃料サーチャージが課せられることになりました。日本の船はすべて込みのお値段ですから特段燃料サーチャージとうたっていませんが、2008年上期にはクルーズ代金が値上げされています。これも燃料高騰が一因だと思います。


誠にもって困ったことです。


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プライド・オブ・ハワイでノロウイルス発生


またまたノロウイルスの季節がやってきました。このほどプライド・オブ・ハワイでノロウイルスが発生しました。乗客の6%の感染率でしたが、船側の対応も適切であったようです。


日本の船では幸いなことにノロウイルスは発生していませんが、昨今のおかしなマスコミだと大騒ぎするのではないかと心配です。その兆候があります。今回のノロウイルス発生を共同通信は次のように報道しています。


AP通信によると、米ハワイの島々を1週間周遊し、12日にホノルルに帰港したノルウェージャン・クルーズライン社の客船の乗客約220人が、ノロウイルスに集団感染した。同社によると、入院した乗客はいないという。船には消毒が施された。約2500人が乗船。ホノルルの日本総領事館は、日本人が感染したとの報告はないとしているが、引き続き確認作業を進めている。


私が2006年4月にスタテンダムでノロウイルスに遭遇した時は日本人も感染しましたが、とても静かで、どこも報道するところはありませんでした。恐らく報道陣の不勉強だったのでしょう。今回も日本人乗客がいなかったので、この程度の報道ですみましたが、もしこれが日本の船だとさぞかし「豪華客船でノロウイルス発生」などと興味本位で大騒ぎするのではないでしょうか。また私のようにノロの経験のある乗客は少数で、経験のない乗客が大部分だと思いますので、パニックになるのではないかと心配です。ノロウイルスはそのうち必ず日本の船でも発生すると私は確信しています。


そこで船会社の皆さんに申し上げたいのですが、そろそろ乗客の啓蒙にかかる必要があるのではないかと思うのです。オリエンテーションの時に、資料を配付して、「ノロウイルスの発生の可能性と、対処の仕方」などの説明をあらかじめしておくことです。そしてノロウイルスは症状は激しいが、短期間で快癒し、それほど騒ぐことはないこともつけくわえ、乗客が余計な心配でパニックになることを防ぐ準備をすべきだと思うのです。


そうすればノロが日本の船で発生したとしても、一番うるさいマスコミにすかさず、このような説明書と事前警告を知らしめておけば、あまりニュース性がないので騒がないと思います。このような適切な策を事前に打っておかないと、もし騒がれてテレビのワイドショウ種にでもなれば、クルーズの集客に大きな影響を及ぼします。クルーズ振興を目指す私としては是非船会社にこのような対応をとって貰いたいと思います。


しかしその前に日本の船がノロウイルス発生の時の危機対応マニュアルを完備しているのか、そしてそれが国際基準と比較して、どのようなレベルであるのか知りたいところです。船会社さん、その内容を、このメルマガで発表しようという気持ちになりませんか?


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燃料サーチャージ続々


サブプライム問題(何のことかさっぱりわかりませんが)で大きな損失を出したヘッジファンドがその損を取り戻すべく、穀物相場や原油相場に手を出し、実需をこえたマネーゲームで穀物や原油の価格をつり上げています。おかげで私達の日常生活が大きな影響を受けています。ガソリンの法外な値上げに加えて、クルーズ業界でも燃料サーチャージが猛威をふるいそうです。全く持って困ったことです。


ウエブクルーズより


原油価格の急騰を背景にカーニバル・コーポレーションは7日、傘下のクルーズ船社で燃油サーチャージ(特別付加運賃)を1人1日当たり5ドル徴収する制度を導入することを発表した。傘下のプリンセス・クルーズとキュナード・ラインの日本販売総代理店であるクルーズバケーションは8日、両船社で燃油サーチャージをとることを明らかにした。


燃油サーチャージは2008年2月1日以降に出航するカーニバル・グループ傘下の全船で導入。1部屋当たり2名までの乗客に課金され、1クルーズで1人当たり最高70ドルとなる。既存予約、新規予約に関わらず課金される。カーニバルのミッキー・アリソン会長は取り巻く環境について、石油コストがこの3年間で140%に増加し、最近の7カ月だけでも50%増加していることを指摘。近年の原油価格の高騰がカーニバルの運営コストに大きなダメージを与え、燃油サーチャージを徴収せざるを得なくなったことを説明している。


カーニバル・グループではこれまでヨーロッパ傘下のアイーダ・クルーズとコスタクルーズで燃油サーチャージをとっていたが、北米船社へも拡大を余儀なくされた。同氏は「今年の初め、我々はヨーロッパ傘下社のみに燃油サーチャージを導入した。北米では導入を避けたいと思っていたが、原油価格が1バレル100 ドル近くなり、導入せざるを得なくなった。来年2月1日から始まる北米での燃油サーチャージの導入により、営業年度の上半期における原油価格高騰分の前年度比3分の1をお客様にご負担していただけることになる」とコメントしている。


さらに「何度か燃油サーチャージ導入を検討したが、できる限り見送ってきた。我々は原油価格が落ち着き、燃油サーチャージが不要となることを望んでいる。それまでの間、お客様には原油価格高騰によるわが社とクルーズ業界全体の葛藤をご理解いただき、お客様のご期待に沿えるサービスを提供するためには燃油サーチャージの導入はやむを得ないとご了承いただきたい」とした。


燃油サーチャージは他のクルーズ船社では、リージェント・セブンシーズ・クルーズが来年から1人1日当たり7.5ドルを、クリスタル・クルーズが今年初めから1人1日当たり5ドルを徴収している。


このほかにもホーランド・アメリカ・ライン(HAL)の日本販売総代理店、オーバーシーズ・トラベル(OTA)はHALで燃油サーチャージをとることを明らかにしています。このように今後続々と燃油サーチャージの嵐が吹き荒れることをとても恐れています。


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リージェント・セブンシーズを米国投資会社が買収


雑誌クルーズでお馴染みの海事プレス社の「ウエブ・クルーズ」に記載の記事を、出典を明確にすれば引用してもよろしいとの許可を頂きました。「ウエブ・クルーズ」から記事を紹介します。


リージェント・セブンシーズ、米投資会社が買収(ウエブ・クルーズ)


米国の投資会社アポロ・マネージメントがリージェント・セブンシーズ・クルーズ社(RSSC)を買収した。アポロはオーシャニア・クルーズに続き、先ごろノルウェージャン・クルーズ・ライン(NCL)の株式50%を購入し事実上の経営権を取得したばかり。3社目を傘下に収めたことで注目を集めている。


最初に報道したのはcfo.comで、これを各紙が取り上げている。RSSCはリゾート・ホテルなど手がけるカールソン・グループに参画している。カールソンからの売買を仲介したのはゴールドマン・サックスで、売却額は10億ドル。ファイナンスはDVB銀行が行い、CVCグローバル・キャピタルとKSLキャピタル・パートナーズも協力しているとしている。


皆さんご承知のハワイ航路 プライド・オブ・アメリカ/ハワイ/アロハなどを所有するNCLの株式を、親会社のスタークルーズから手に入れた米国の投資会社アポロ・マネージメントについては、以前に取りあげました。NCLアメリカがハワイ航路に三隻も投入したのは、いささかやりすぎと私自身は思っていましたが、はたして一年を経過して、3隻はプライド・オブ・アメリカ一隻を残すことになりました。このような放漫経営の結果、スタークルーズは株式を手放すことになったのだと思います。


その株式を引き受けたのが投資会社です。投資会社の目的はクルーズ振興などではなく、当然のことながら「マネーゲームによるお金儲け」です。その投資会社が今度は世界最高峰のリージェント・セブンシーズの株式を取得したとのニュースが上のように流れました。このことを私達はどのように受け止めれば良いのでしょうか。


私は投資会社が「クルーズは儲かる事業」と読んでいるのだと思います。正しい経営と市場に適合した的確な企画があれば、世界のクルーズ市場はまだまだ伸びると見ているのではないでしょうか。もしそうであれば私達クルーズファンにとっては嬉しいニュースです。


それにつけても日本のクルーズ業界は船会社、代理店、旅行社のどれを取っても世界のクルーズの大きな流れから取り残されています。これは別な見方からすれば「宝の山」が残っているということです。日本のクルーズ業界に投資ファンドが目をつけて、日本のクルーズ業界を抜本的に改革し、クルーズを大いに振興してくれないものかと思います。


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『実録沈没する豪華客船!!』


フジテレビ系列の番組「奇跡体験!アンビリバボー」で『実録沈没する豪華客船!!』というタイトルの放送がありました。ただでさえ知名度の少ないクルーズに対し、恐怖感を植え付けるような内容で、クルーズ愛好者としてはヤレヤレと思いましたが、真実は真実ですから直面しなければなりません。また放送後ネットを見ていますと、あちこちで反応があり、このような興味本位の放送の影響力の強さを実感しました。


簡単に内容を紹介しますと、1952年建造のオシアノス号が1991年に南アフリカ沖で沈没した事件です。この時、乗組員は真っ先に逃げ出し、船の上には乗客が取り残され、危機一髪の時に南アフリカ空軍のヘリコプタが救援に駆けつけ、5時間もかかって一人ずつ救出し、奇跡的に全員が無事救助されたことが放映されていました。


船の安全管理が誠にお粗末で、老朽設備の破損から、海水が進入し、本来なら沈没するはずのない安全装置が次々と管理不良で突破されて、沈没に至るというものです。そして何より問題なのは、乗客優先のはずの乗組員が、船長を初めとして我先に逃げ出して、乗客を置き去りにした無責任さです。このような事実を突きつけられると心配になってきます。


本来正常に機能すると考えられているものが機能しない場合は悲惨なことになります。ついこの間エーゲ海で沈没したルイス・クルーズラインのシーダイヤモンドも、このオシアノス号も比較的小さな船でした。クルーズの避難訓練は必ず行われるように法で定められていますが、乗客・乗組員合わせて5000人以上もいる場合、正常に機能するのか心配になって来ました。また船長以下の重要な地位を占める幹部乗組員に倫理観や責任感が欠如していた場合、これほどの大人数をうまくさばききれるのでしょうか。


全くおかしなたとえですが、実戦経験の無い自衛隊は本当に戦えるのか?海上自衛隊と海上保安庁を比較すると、海上保安庁の場合は危険な目にたびたび遭遇しています。最前線の隊員の戦闘意識は海上保安庁の方が上だという噂が蔓延しています。非常時はあってはならないものですが、実際に機能するかどうかはその時になって見なければわからないのも不安ですね。


さらに話は飛躍しますが、例えばノロウイルスが発生した時の対応などを注意深く観察していると、船長以下幹部乗組員の意識や会社の意識がわかります。日頃の危機管理が行き届いている船や船会社のランク付けなども欲しいですね。「自分の身は自分で守れ」というのなら、古い船は敬遠し、また10万トンクラスの大型船も避けることかなとも思っています。


また昨今のクルーズ客船の大幅膨張も要注意です。乗組員の意識が追いついているのか心配だからです。このような心配をしていたら外に出ることも出来ませんね。


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